60代 未知との遭遇

離婚を決意し未知の世界へ突入する60代のブログ

「性格の不一致」は熟年離婚の理由

考え方も価値観も趣味も違う

食費「一人2万円ずつの費用を1万5千円に減額する」という食費論争から
話は「考え方・価値観・趣味」の違いまでに発展していました。




私たち夫婦は、共通の夫人からの紹介で結婚。
今はマッチングアプリがあるので、
昔の見合いより、考え方や価値観、趣味があった人を見つけられますよね。



本格的なお見合いではないので、初対面の時の会話などから
その人となりを探るしかありません。



私が夫と結婚しようと思ったのは、会話の中で出た趣味の違いについての話からです。
夫は、趣味の違うお互いのことを「道は違うけど、方向は同じだね」といったのです。



夫は、変わった楽器の演奏が好きでした。
私は、ハンググライダーに夢中の時期です。



今でこそ、女性が機体を背負って飛ぶなんて普通かもしれませんが
40年前は、遠征に行くと「女のくせに」とやじられたこともあった時代です。



そんな中で、「俺もやってみようかな」なんて言われたら
この人と結婚すれば、大好きなハンググライダーが続けられる。
共に遠征に出かけ、あちこち飛び回れる!



若かった私は、本当に身勝手で未熟でした。


性格の不一致

熟年離婚の多い原因に「性格の不一致」というのがあります。


性格の不一致とは、生まれ持った気質や育ってきた環境の違い等から生じる、物の考え方や価値観の違い全般のこと指します。


私は、人の考え方や価値観は皆、違うものだと思っています。
ただそこには、極端に違うものと、似通ったものがあるだけだと思うのです。



夫は、この食費論争で「全然違うんだ」と、
考え方や価値観の違いについて話していました。
「ストレスなんだ」とも話していました。



私は、夫に「考え方や価値観の同じ夫婦なんていないよ。
そこをすり合わせて暮らすのが夫婦じゃないの」と反撃しましたが
夫は、揶揄した後、話を本題の食費に戻していました。



みんなちがって、みんないい・・・のになぁ


「みんなちがって、みんないい。」 は、「わたしと小鳥とすずと」の中の一節です。 小鳥は飛べるし、鈴はきれいな音を出すことができます。 わたしにはそれができないけれど、わたしも、小鳥や鈴にできないことができるとして「みんなちがって、みんないい。」というまなざしが生まれるのだ。


食費論争の結果

30分に及ぶ夫婦の論争は、1万5千円ずつを出し合って、2ヵ月間交替でやってみよう
ということになりました。



夫は、「梅干しとふりかけと、週に1回カレーだけで良いんだ」と言います。



そんな夫の言葉を聞きながら、
「あなたは糖尿病だよね、食事を大切にしないと、後で後悔するよ」
「私が今まで努力したのは、無駄になるんだね」



私は介護士です。
糖尿病で苦しむ人を、幾人となく介護してきました。
食事制限が辛く、「もう死んでもいいから、食べたいものを食べたい」
泣きながらの訴えも聞きました。



そんな重症になる前に、食事のバランスを考えるのはとても重要です。
共に暮らすなら、お互いに健康な方がいい。
・・と、思っているのは私だけのようです。



「だから」を繰り返す夫の話を、スクリーンの中の人が話す感覚で見ていました。



そのとき私の中に、「もう、付いていけない」という言葉が
フワフワと浮かんできたのです。



食費論争の結果は、夫の意見に寄り添ったものとなりました。
もう一人の私が「妥協していいの」と問いかけます。



その問いに「でも、いいなりじゃなかった。お互いに試してみようという案は、受け入れられたから」と答えていました。



夫も言っていましたが
「思っていることを、話したことはなかった」
仲の良い夫婦なら、当たり前のことだと思いますが
私たち夫婦には、新しい形の・・論争でした。



新しい試みは、いつでも「未知との遭遇」です。